地元ライター記事

2025.01.17

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北前船のまち美川散策|おかえり祭りのルーツから美川温泉まで魅力たっぷり

北前船の立ち寄る港として独自の文化を形成してきた白山市美川。この地域は現在の「石川県」のルーツともいえる場所で、豊かな歴史と伝統が今も生きています。さらに、美川はジオパークとしての恵みを味わうことができ、歴史的な風景や文化を感じながら散策を楽しむことができます。さあ、美川の魅力を味わいに行きましょう!

白山市美川とは?

白山市美川(みかわ)は、石川県の南西部に位置します。手取川の河口にあり、日本海にも面する地域です。かつては、暴れ川といわれた手取川の洪水被害を何度も受けましたが、現在は、清らかで豊富な水や肥沃な大地など、自然の恵みが豊かな地域となっています。現在の白山市に合併される前は、石川郡美川町として栄え、「石川県」の名前はこの石川郡から生まれたと言われています。

北前船のまち

石川ルーツ交流館で展示されている北前船模型【特別に撮影許可をいただいております】

北前船は、江戸時代中期から明治30年代まで、日本の海の交易手段として各地の物資を運びました。美川(旧 本吉湊)へ寄港することで、多様な文化や情報も同時にこの地に運ばれ、大きな富をもたらしました。今も、町並みや季節ごとの行事には、その歴史を感じることができます。

天下の奇祭「おかえり祭り」

おかえり祭りは、藤塚神社の春祭りとして、5月の第3土・日曜の2日間の日程で開催される神事です。1日目は、お神輿(おみこし)を先導して13台の台車(だいぐるま)が、藤塚神社を出発し美川の町中を、厄払いしながら巡行します。

その巡行の、初日の早朝に「招集ラッパ」を鳴らします。このラッパを鳴らすラッパ手も、台車の引手も神輿の担ぎ手もみんな、紋付き袴に白襷姿(しろたすきすがた)の正装で参加することが珍しく、この祭りが奇祭と言われる所以の一つだと考えられています。今のおかえり祭りは、北前船で栄えた、約220年前ごろより受け継がれてきたと言われています。そして、祭りは2001年には石川県無形民俗文化財に、北前船の豪商紺屋三郎兵衛(こんやさぶろうべえ)より寄進された大神輿も、白山市文化財に指定されています。

平成の名水百選「白山美川伏流水群」

霊峰白山が源流となる伏流水は、手取川扇状地の地下を時間をかけてゆっくり流れ、河口付近の美川地域で湧き出ています。その湧き水の総称を「白山美川伏流水群」といいます。お台場の水、大浜の水、やすまる銘水、すいはの水、呉竹水荘、蓮池の水が、2008年より平成の名水百選に選定されています。ミネラルの少ない良質な軟水です。

美川散策モデルコース

さぁ!それでは、手取川の恵み受け、北前船で繁栄していた頃の豊かさが今も残る美川を、ドライブで散策しましょう!石川ルーツ交流館や藤塚神社高浜御旅所で歴史や文化に触れ、地下水が湧き出る水くみ場へ。さらに、温泉でリラックスして、おいしい洋食もいただきますよ!

石川ルーツ交流館

かつて石川県庁が美川に置かれていたこと、皆さんご存知でしたか?そして、それは8ヶ月というとても短い期間だなんて・・・そんな、石川県の歴史を深く学ぶことができるのが、石川ルーツ交流館です。現在の石川界隈の県境や名称が、明治4年の廃藩置県から約10年もの短い期間で変化していった様子や、美川を中心にした歴史を、日本と石川で起きた出来事と合わせて見ることができ、とてもわかりやすかったです。歴史に詳しくない方も興味深くみることができますよ!

さらに館内は、おかえり祭りについて模型や本物の車輪を見ることができます。そして、白山手取川ジオパークの拠点の一つとして、手取川の自然の恵みについても学ぶ事ができます。さらに、600石積(今の時代で90トン)の10分の1サイズの北前船の模型が間近で見ることができるんです。とても、精巧に作られていて感動!さらに、実際に使われていた碇(いかり)も展示してあり、200年以上前にどのように使われていたんだろうと想像してワクワクしました。

石川ルーツ交流館
住所〒929-0215 石川県白山市美川南町ヌ138-1
電話番号076-278-7111
営業時間9:00〜17:00 (入館は16:30まで)
入場料一般:310円
中学生以下:無料
休館日月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
駐車場20台
公式サイトhttps://www.hakusan-museum.jp/roots/

お台場の水

「白山美川伏流水群」の水汲み場の1つです。小屋の中にあり、昔から共同の洗い場として使用されていたようです。花などで飾られ整頓されている様子から、地域の方々の生活に欠かせない場として大切に管理されていることをうかがい知ることができます。

お水は、無色透明、無味無臭で美味しかったです。ご飯やコーヒーを美味しくするお水とも言われているそうです。もともとは、組合の方のみの利用だったそうですが、今では誰でも水汲みが可能なので嬉しいですね♪

お台場の水
住所〒929−0235 石川県白山市美川永代町ヲ185番地1
駐車場美川港駐車場をご利用ください
〒929−0235 石川県白山市美川永代町甲甲89−1

大浜の水

こちらも、「白山美川伏流水群」の伏流水をいただける、屋外にある水汲み場です。道路脇にあり、自由に水汲みができます。大きな看板などもなく、ひっそりとあるので、地図でしっかりと場所を確認されてから訪れるといいと思います。冷たくておいしい水が、パイプから勢いよく出ていましたよ!※駐車場は特にありません。 交通の妨げにならないよう、マナーを守って水汲みをお願いします。

大浜の水
住所〒929−0235 石川県白山市美川永代町甲232番地2
駐車場駐車場は特にありません。交通の妨げにならないよう、マナーを守って水汲みをお願いします。

藤塚神社高浜御旅所

おかえり祭りの初日は、裏鬼門である藤塚神社を神輿や台車が、お発ち(出発)になり美川の10町内を巡ります。各町を巡りながら厄払いを行い、家内安全を祈願されます。そのお着き(到着)の場になるのが、表鬼門である藤塚神社高浜御旅所(たかはまおたびしょ)です。その夜は、神様は御旅所で1泊されます。祭りの2日目には、その年のおかえり筋となる1町を通って、神様が藤塚神社へお還り(おかえり)になります。このおかえり筋は10年に1度まわってくることが決まりになっており、このことから「おかえり祭り」と言われているようです。

この御旅所には、お神輿、台車が大切に保管されています。台車は、各町ごとに作られていて、鳥居や鏡、神様へお供えするお飾りや人形が乗せられています。伝統工芸である、美川仏壇の技術が使われている豪華絢爛なお神輿、台車、お祭りの時に見られるのが楽しみですね!

藤塚神社高浜御旅所
住所〒929-0233 石川県白山市美川浜町タ1
公式サイトhttp://fujitukajinja.com/

藤塚神社は、寿永年間(1182~1184)に創建と言われる歴史ある神社です。境内には、この地方の最古で樹齢500年にもなるといわれる欅(けやき)の御神木がそびえています。火災で一部焼失していますが、しっかりと根を張りのびのびと枝を広げる様子から生命力を感じ、生きる活力をいただきました。

藤塚神社
住所〒929-0215 石川県白山市美川南町ヌ167
電話番号076-278-5355
参拝時間7:00〜17:00
定休日なし
駐車場石川ルーツ交流館駐車場をご利用下さい
公式サイトhttp://fujitukajinja.com/

美川温泉元湯ほんだ

IRいしかわの美川駅から1㎞ほどの距離にある、100%天然温泉「美川温泉元湯ほんだ」。無臭でコーヒー色のお湯がヌルっとしていますが、肌なじみがよく、温泉から上がっても体はポッカポカ。これは、植物性の有機物を多く含む温泉「モール泉」の効能で、神経痛・リュウマチ・胃腸病・皮膚病・アトピー性皮膚炎などに効果があるそうです。大浴場には、エステバス、気泡バスなど3つの浴槽があります。さらに、銭湯の料金のみで利用できる、サウナや水風呂も用意されています!追加料金がかからないなんて、サウナ好きには嬉しい限りですね(*^^*)

公衆浴場(銭湯)としてだけでなく、日帰り入浴(休憩)、宿泊の利用も可能です。地元の方に愛される、レトロな雰囲気の温泉でした。券売機も、懐かしいプラスチック製の札が出てくるタイプ!そして、浴場内のカランもカラフルでかわいいですよ。

美川温泉元湯ほんだ
住所〒929−0214 石川県白山市長屋町イ111
電話番号076-278-3434
営業時間10:00〜22:30
料金▷公衆浴場(銭湯)/大人 490円
中学生 300円
小学生 130円
乳幼児(0歳〜)50円
※上記に、サウナ利用料含む

▷宿泊(素泊り)/6,090円〜
※入湯税込み
定休日水曜日(祝日は営業)
駐車場50台
公式サイトhttp://p2222.nsk.ne.jp/mikawaonsen/
楽天トラベルhttps://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/178310/178310.html

洋食ビストロ福壱軒

「美川で一番美味しい洋食屋さん」と紹介されている、洋食ビストロ福壱軒(ふくいちけん)。今回は、福壱軒に来たら絶対に食べたい!大人気のビフカツ定食いただきます。衣はサクッ!程よくレア感のあるお肉は、柔らかくジューシー!!わさび醤油か塩でいただくので、さっぱりとしておいしい!!!これだけでも大満足ですが、さらに嬉しいことにランチ定食は、麦ごはん、サラダ、味噌汁のおかわりができます。期待を裏切らない、美味し〜い洋食屋さんです\^O^/♪

種類が豊富で魅力的なメニューを見ていると、他のメニューも食べたくなり、また何度も訪れてみたくなりました。と、言いながら、また「ビフカツ定食」を注文してしまいそうです♡ さらに、「人参入りドレッシング」、「ノンオイルゆずドレッシング」とヘルシーなドレッシングが、2種類も用意されていました。お客様の「おいしい!」という笑顔や満足のために、日々レシピを進化させているそうで、オーナーのこだわりや想いを感じられますよ。

洋食ビストロ福壱軒
住所〒929−0201 石川県白山市鹿島町イ17−1
電話番号076−209−2108
営業時間11:00〜20:00
定休日不定休
駐車場10台
公式サイトhttps://r.goope.jp/fukuichiken/

まとめ

見どころがたくさんある豊かな美川散策、いかがでしたか?歴史や文化を知ることで、美川の魅力をより深く感じることができます。さらにこの地で受け継がれている文化や絆を知るために、次の5月には、おかえり祭りがどんなお祭りなのか、自分の目で確かめに行きたいですね♪

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